さて、こちらも少し前の話になるんですが高校に講演しに行ってきました
テーマはズバリITものづくりと不登校について
①不登校における場所の機能の大切さ
②どうしてITものづくりが不登校に良いのか
③実際の子どもの事例
という内容で話してきました
不登校で真っ先に不利になるのは所属する場所の機能が失われることです
まず、居場所
これは定期的に通う場所や、安心感を得られる場所のことです
これらが無いと生活リズムが乱れていったり、何をすれば良いのか分からず、不安感を感じる日々を送ることになります
あとは友人関係などもそうで、人とコミュニケーションを取っていることは人間にとって必要なことです
次に、自信を得る場所
例えば学校に行っていてテストで良い点を取ったり、部活に一生懸命打ち込んだり、生徒会活動に精を出したりそういったことの積み重ねをしていると、
他者からの承認もあり、自信を得ていくことに繋がり、将来への見通しもたってくると思います
元々何かしらの不適応を起こしていて学校に行けなくなるとそもそも自信を得る機会がありません
そして、得意を伸ばす場所
これは前述した自信を得るにも繋がってくることなのですが、そもそも自信がなくては、何が得意なのかも分からず、何に打ち込まなければいけないのかも分かりません
そして、何となくやらないといけなそうな学校の勉強にフォーカスされますが、学校に行っていないので勉強にもついていきにくくなり、余計に自信を失っていくというスパイラルになっていきます
不登校になった場合、いかに、これら3つの場所の機能を代替し、満たすかにかかっていると僕は思います
学校に行くか行かないかは大事ではなく、これらの機能が生活の中で満たされているのかが大事なんですね
実際に、不登校の子たちを見ていてもこれらの機能が生活の中で満たされている子たちは何だか明るいし、そうじゃない子は日によって変調が激しかったりします
不登校とITものづくりは相性が良いと思います
例えば、ゲームやPC、タブレットが好きだったらゲームを作ればいい
絵が好きならペイントツールでグラフィックを作成してみるといい
工作が好きなら、ロボットや電子工作、3Dモデリングをしてみればいい
Youtubeが好きなら動画を作成してみればいい
というように大抵のことがPCやタブレットを使えば無料で結構なことができます
例えば、手先が不器用でもドット絵や、ペイントツールで地道にやればそれなりの絵が描けますし、消しゴムが苦手だったりしてもCtrl + Z ですぐに戻せます
集中が続きにくいならプログラミングやグラフィック作成を色々代わる代わるやってみればいいし、コミュニケーションだって、ゲームを作りながらだと実際に画面を見せながら話せるので伝えやすいです
読み書きの苦手さはタイピングや音声読み上げなど苦手さを軽減することも出来ます
その他にも沢山の効果があります
以下の動画にも簡単にまとめたので見てみてください
プログラミングが色々なことに役に立つのは言うまでもないですが、3Dモデリングやロボット、あとは基本的なPCスキル、タイピングができるだけで何かしらの仕事はできます
これは実際に不登校の子どもにインタビューをしてみました
詳細に載せることはここでは割愛しますが、簡単にまとめますと
①学校には行かなくてはと思っている
②何度か行こうとしたことはあるが、その度に話に入れなくなっていたり、勉強も全然分からなくなっている
③将来については、見えない壁がいくつもあり、自分でもその壁が何なのか分からず、それを越えていけない
だから将来を具体的に考えることができない
こういったことを言っていました
確かにその通りで学校という枠組みで判断しようとすると先に進んで行くには障害だらけなんだなと思います
こういった枠組みをITものづくりを通して考え方が変わっていけたら良いなと思っています
まぁ、それぐらい学校が作る価値観って子どもにとっては絶対なんだろうなとも思いますが…
実際に学校の先生の前で話してみて感じたことですが、わざわざゲーム作ったりするのって必要性を感じにくいんです
学校の先生からしたら、生徒の進学先や就職先を決めることがメインのタスクですからね
そんな時にゲーム作るなんてアホか!って話ですし、実際僕もそう思います
でも大切なのは何かに本気で打ち込むこと
それをいわゆるモラトリアムの間にやれるか、やれないかが今後の人生に大きく関わってきます
何かに本気で打ち込む経験をすれば苦手なことも不思議と軽減されていきます
結局は本人の本気の思いなんですね
極論ITものづくりである必要はなくて、それがサッカーでも野球でも勉強でもなんでも良いんです
ただITものづくりは本気になれるものに出会える確率がすこーしだけ高いかもしれないよーっていうお話でした
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